検証

110/130
前へ
/130ページ
次へ
天川 青大さん  2014/11/9 8:21 百合作品を男性が書こうとする時、女性が女性に惹かれる心情を自然に描けるものだろうか? という疑問が湧きます。 これは、BL作品でも同じ事が言えます。 男同士が惹かれ合う心情を、女性クリエイターは、どのようにして感取するのだろうか? という疑問です。 実際に同性愛趣向の女性クリエイターが、百合作品を書いて、その苦しさを表現するのなら分かります。それは、自身の胸の内を明かし、理解を訴える小説となり得ます。 異性の心理描写を表現した作品は普通にあります。 男性クリエイターが女性の心理を、或いは女性クリエイターが男性の心理を類推し、描写する事は、比較的容易です。 なぜなら、異性に対する感じ方は、ほぼ共通だからです。 立場は違っても、異性が惹かれ合うのは磁石が引き合うようなもので、自然で合理性があります。 いや、理屈など必要のない本能です。男女間の心理はです。 しかし、書き手自身がノーマルなのに、どうしてアブノーマルな心情を描くのか? その必然性とは何なのか? と考察する時、見えてくるのは人間観察ではない。 単純に【眼を引く為の売名行為】そして【悪ふざけ】です。 個人クリエイターが「百合作品をみんなで書きましょう!」と呼びかけた時の文言の末尾は「みんなでバカ騒ぎしませんか?」というものでした。 人気コメントを遡れば分かります。 アブノーマルな百合作品を一人で書いては鼻つまみになる(顰蹙を買う)恐れがある。イベントとして、みんなで書けば、お祭りになる。お祭りに参加しておけば仲間はずれにならない。 こういう流れです。 【絶妙の心理描写】は百合作品に限りません。 百合作品の素晴らしさを他の観点から示す事は可能でしょう。 しかし、そんなものは後から付けた理屈です。百合作品をみんなで書こうという呼びかけに、軽いノリで参加した。 これが動機であった筈です。 人間を観察し、風潮を考察し、なぜ、そうなるかを明快に示せた時、それは優れた洞察と言えるでしょう。 私は、このような考察から、付和雷同的に揺れるクリエイターの態度を指弾しているのです。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加