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確かにそうだ。
私が説明した恋愛シミュレーションゲームを忠実に再現してくれるのだとしたら、マルチエンディングは必須だ。
「わ、分かりました。私頑張りますっ!」
バッドエンドと聞いてゲームオタクの血が騒いだ。
グッとガッツポーズをして意気込むと、倉木さんが堪えるように口元に手をやって笑う。
「単純な部下は好きだ」
「……それ誉めてるんですか?」
「もちろん」
こうして私は、仕事の上司である倉木さんとリアル恋愛ゲームをすることになった。
私の好きなジャンルだから面白いだろう、と軽く考えてしまったことを後々激しく後悔するのだけど……。
この時の私は新しいゲームを手に入れた子供のように気持ちがはしゃいでしまっていて、その意味を全く理解していなかった……――。
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