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「弁当箱持ってきたら俺の分も作ってくれる?」 「無理です」 「山内……少しくらい考えてから答えてくれたっていいだろう?」 「倉木さんが教えてくれたんですよ?分からないものは分からない、出来ないものは出来ないってはっきり言うこと、って」 「それは仕事の話だ……」 「アハハハッ!さすが山内」 大袈裟にがっくりと肩を落とす倉木さんの背中をバシッと叩いて笑うのは、倉木さんと同期の堀(ホリ)さん。 堀さんもこれまた爽やかな笑顔とスーツが似合い過ぎる私の上司。 倉木さんも堀さんも上司だけれど、人当たりが良くて固くならずに話せるのに仕事もかなり出来る系で、憧れの上司ランキングがあれば間違いなくツートップだ。 「失礼しまーす!すみません、頂きたい書類がいくつかあるのですが……」 「あ、はい!今行きます!」 事務局は扉を開けてすぐにカウンターがあり、テナントさんは用があるとそこから声を掛けてくれる。
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