レベル1

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休憩中でなければカウンターにすぐ立てる位置で作業しているのだけれど……。 箸を置いて慌ててカウンターに向かおうとすると倉木さんが動こうとしてくれた。 けれど、それを制して受付に出る。 憧れの上司ランキング上位の方にはちゃんと休んで頂かなければ……、と思ったのに堀さんに逆に制されてしまった。 「あ、いいよ、僕が出るから」 私よりも遠い位置にいた堀さんの行動に首を傾げながら上げた腰を再び下ろすと、倉木さんが耳打ちをしてきた。 「あいつ、今来てる店長さんに気があるんだ」 「えぇ!?」 思わず大声が出てしまいそうになり、慌てて口を押さえる。 悪いと思いつつもそっとカウンターを覗くと、いつも以上に優しい表情(カオ)をして堀さんが応対しているのが見えた。 相手の方は……、アクセサリーショップsignの森下(モリシタ)店長だ。 事務局の面倒な頼み事もいつも笑顔で受けて下さる素敵な店長さん。
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