1.親友で元カレ

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   ビールジョッキをそっとテーブルに戻し、敦士の瞳を見詰め返す。 今、確か「俺の彼女」と言ったよね? うん。聞き間違いなんかじゃない。 この前会った時は、それらしいことを何も言ってなかったのに。 いつの間に、彼女なんて出来たの? 取り合えず、笑うしかない。 愛想笑いは得意でしょ。早く笑えってば、わたし。 「へぇ、そうなんだ。おめでと」 そう言って、口角を無理やり上げる。 別に動揺するほどのことじゃない。 今までだって、敦士に彼女が出来たこともあったけど、わたし達は相変わらずだった。 これからも、何も変わらない。 確かに、気軽に呼び出せなくなるのは寂しいけれど、それはお互い様だ。 ……でも、わたしに紹介って、どうして?
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