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ビールジョッキをそっとテーブルに戻し、敦士の瞳を見詰め返す。
今、確か「俺の彼女」と言ったよね?
うん。聞き間違いなんかじゃない。
この前会った時は、それらしいことを何も言ってなかったのに。
いつの間に、彼女なんて出来たの?
取り合えず、笑うしかない。
愛想笑いは得意でしょ。早く笑えってば、わたし。
「へぇ、そうなんだ。おめでと」
そう言って、口角を無理やり上げる。
別に動揺するほどのことじゃない。
今までだって、敦士に彼女が出来たこともあったけど、わたし達は相変わらずだった。
これからも、何も変わらない。
確かに、気軽に呼び出せなくなるのは寂しいけれど、それはお互い様だ。
……でも、わたしに紹介って、どうして?
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