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不意に名前を呼ばれて、敦士に視線を向ける。
「怖い顔すんなって。マイカが困ってるだろ?」
「え?わたし、怖い顔してる?」
「いえ、そんな」
「あいつ、今日仕事でトラブって、ちょっと機嫌悪いんだよ」
「敦士!」
軽く敦士を睨んだところで、飲み物が届いた。
「お疲れ」と、それぞれグラスを合わせて乾杯する。
なんだかな。仕事よりも、今のこの状況に疲れそうなんだけど。
「今日は、お邪魔してすみません」
飲み物に口をつけた後、彼女がペコリと頭を下げた。
「別にいいんだよ。美咲とはこの前も飲んだし」
それだけじゃないでしょ。
心の中で呟いて、ビールを喉に流し込んでいく。
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