1.親友で元カレ

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      「なんだよ、じっと見て」 「んー別に」 小さく笑って、視線を手元のカクテルグラスに移すと 敦士は、ガラスの灰皿にタバコを押し付けて溜め息を吐いた。 「今夜、泊まっていくだろ?」 敦士のその言葉に苦笑する。 どうやらお見通しだったらしい。 連れて歩くには、申し分ないルックスと営業で培った巧みな話術。 それでいて、どこか人懐っこい雰囲気を持っている。 敦士に会って嫌悪感を抱く人はまずいないだろう。 そんなことを考えながら。 「もう一杯だけ、付き合って」 敦士の返事を待たずに、ギムレットのお代わりを頼んだ。
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