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ライムの香りと仄かな甘み、それから
口の中に広がるのは、敦士のタバコの匂い。
絡まるように敦士の部屋に入ると、服を脱ぎながらベッドに向かう。
照明も点けないまま、縺れるように進めば、何かに脛をぶつけた拍子に敦士の舌を噛んでしまった。
「っ、……お前な」
「ご、ごめん」
「……痛ぇ」
敦士はそう言いながら身体を屈めると、ヒョイとわたしを抱きかかえた。
突然のことに驚いて、ギュッと敦士にしがみつく。
それが、敦士に甘えているように思えて、急に恥ずかしくなる。
「ちょ、敦士、下ろしてよ」
「いいから、大人しくしてろ」
敦士は、乱暴にわたしをベッドに落とすと、はだけたワイシャツを脱ぎ捨てた。
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