1.親友で元カレ

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   ライムの香りと仄かな甘み、それから 口の中に広がるのは、敦士のタバコの匂い。 絡まるように敦士の部屋に入ると、服を脱ぎながらベッドに向かう。 照明も点けないまま、縺れるように進めば、何かに脛をぶつけた拍子に敦士の舌を噛んでしまった。 「っ、……お前な」 「ご、ごめん」 「……痛ぇ」 敦士はそう言いながら身体を屈めると、ヒョイとわたしを抱きかかえた。 突然のことに驚いて、ギュッと敦士にしがみつく。 それが、敦士に甘えているように思えて、急に恥ずかしくなる。 「ちょ、敦士、下ろしてよ」 「いいから、大人しくしてろ」 敦士は、乱暴にわたしをベッドに落とすと、はだけたワイシャツを脱ぎ捨てた。
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