1.親友で元カレ

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  「終わって直ぐにタバコに火を点ける男って、薄情なんだって」 意地悪を言うと、背中を向けたままで、敦士は小さく笑った。 むき出しの肩甲骨をなぞるように触ると、くすぐったいのか、「止めろよ」と身体を捩る。 吐き出された煙が、二人の距離を測るように漂っていた。 わたし達は恋人を解消しても、親友には戻れなかった。 けれど、人肌が恋しい時、こうして身体を重ねてしまう。 そして、その関係を何と呼ぶのか、お互いわかっている。 「ね、敦士」 「ん?」 「彼女、まだ作らないの?」 「……そういうお前は、どうして別れたんだよ?」
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