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「別れた理由を訊いちゃうの?安心してよ、敦士の所為じゃないから」
おどけた調子でそう言うと、敦士は気にする様子もなく、無言で部屋着に着替え始めてしまった。
……なんだかな。
色々訊かれても答えに困るけれど、もう少し関心を持ってくれてもいいんじゃないの?
そんなことを思いながら、敦士の背中を無言で見詰めた。
「何か飲むか?」
「お水が欲しい」
10秒後、ベッド目掛けてよく冷えたペットボトルが飛んできた。
「危ないじゃない」
「当ってないだろ?」
「そういう問題じゃなくて」
これが、わたしじゃなかったら、絶対投げたりしないはずだ。
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