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    午後八時過ぎ 「お疲れ様でした!」 最寄の駅近くの焼き鳥屋、生ビールで乾杯する田所さんとわたし。 「本当にありがとうございました。田所さんのお蔭で助かりました」 そして、頭を深く下げる。 他部署の田所さんが、うちの課のトラブルをフォローしてくれるなんて思いもしなかった。 うちの課の営業だったら、どうしただろう。 ……多分、見て見ぬフリで、何もしないだろうな。 あの後、田所さんがY県の工場に試作品を取りに行き、夕方林さんに届けてくれた。 たまたま工場近くの取引先にアポを取っていた田所さん。 だけど、それ以外の予定はすべて変更したんだと、後になって田所さんのアシスタントに聞いたのだ。
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