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本当は、金曜日のことを根掘り葉掘り訊かれるのかと思っていた。
食事を終え、定食屋を出る。
自分が払うと言って、きかなかった川原さんの言葉に甘えた。
同じ業務を二人で受け持つからには、相性はかなり重要になるけれど。
彼女となら上手くやっていけそうだ。
そんなことを考えながら、会社に戻る。
エレベーターを待っていると、ゾクゾクとランチから戻ってくる社員でエントランスは溢れかえっていた。
その中には田所さんも居て。
避けているわけじゃないけれど、川原さんに先に行くように促して非常階段に向かった。
たまには、運動しないと。
そんな言い訳を呟いて、カツンカツンとヒールを鳴らしながら階段を上がっていく。
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