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   良くも悪くも月曜日は慌しい。 例外になく、今日も朝礼の途中から電話が引っ切り無しに鳴り響き、他部署からは冷たい目で見られてしまった。 だけど、今日ばかりはそれが有り難かった。 業務に集中してる間は、何も考えなくて済むからだ。 川原さんに指示を出しながら、自分の業務を進めていく。 嫌味な問い合わせも、気にならない。 黙々とデータ入力していると「吉川さん」と声を掛けられた。 顔を上げると、川原さんがお財布とハンカチを手に立っている。 「ん?」 「一緒にランチ行きませんか?」 え?もう、そんな時間? 回りを見渡せば、席について仕事をしているのは、ほんの数人だけ。 没頭していて気がつかなかった。
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