それでも、また恋をする 第5話

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わたしばかりが、お酌されているような気がする。

「あの、わたしはもう」

お酒は自分のペースで飲みたいの。

「いいから、遠慮しないで」

ニコニコと笑いながら、ビールを手に取る本部長。

そう言われると、断れない。

森田課長に視線を走らせると、目だけで『頑張って』とエールを送っている。

……何なの。

少しは話し掛けるとかして、本部長の意識をわたしから逸らしてよ。

「本部長、今度はわたしがお注ぎします」

本部長からビール瓶をやんわり奪い取り、笑顔を貼り付けてお酌する。

「ありがとう」と本部長が微笑んだときだった。