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「今日は、ありがとうございました」
お店を出て、本部長と森田課長に挨拶をして二人と別れた。
森田課長は、恨めしそうに田所さんを見ていたけれど、本部長に促されると漸く諦めたのか、大通りに向かって歩き出した。
これから、二人で綺麗な女性が居る店へ移動するらしい。
「一緒に行かなくて、良かったんですか?」
「お店を紹介したし、大丈夫でしょ」
「……田所さんも行くんですね、そいうお店」
「そりゃ、たまにはね」
「意外です。こちらに赴任してまだ数ヶ月なのに、もうお気に入りのお店があるんですね」
「……それ、ヤキモチ?」
「そんなんじゃありません」
ムッとして言い返すと、田所さんはわたしを一瞥して、クスリと笑った。
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