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「……もしもし」
『あ、美咲?今、いいか?』
「うん」
敦士の声に、胸が苦しくなる。
人の気も知らないで。
敦士の声はお酒でも飲んでいるのか、随分と楽しそうだ。
「どうしたの?」
『斉藤の結婚式の二次会、美咲も行くだろ?』
ああ、そうだった。優香からメールが届いていたっけ。
「うん。行くつもり」
『だったらさ、一緒に行こうぜ』
「いいけど」
『じゃ、前日にでも電話する』
「わかった」
『なんだよ?元気ないな?』
「そんなこと、ないよ」
お願い、止めて。
わたしに気遣いなんて必要ないから。
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