497人が本棚に入れています
本棚に追加
さり気なくわたしの肩に手を置いた田所さんを川原さんは見逃さなかった。
わたしと目が合うと川原さんは、ニコリと微笑んで、無言で圧力をかけてくる。
……困ったな。
まだ誰にも知られたくなかったのに、こんなことでバレちゃうなんて。
「田所さーん。一番電話です」
「ああ」
田所さんが自分の席に戻ると、川原さんはここぞとばかりに、わたしにすり寄ってきた。
「な、なに?」
「それは、こっちのセリフですよ。田所さんと何かあったんですか?」
「別に……」
「またまた、怪しいなぁ」
内緒話をするように声を潜めて「付き合ってるんですか?」と聞いてくる川原さんに、何を言えばいいのかわからずに俯いた。

最初のコメントを投稿しよう!