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         外線は、6時きっかりに留守番電話へ切り替わる。 トラブルなく仕事を終えて、あとは必要最低限の残務処理を残すだけ。 残業続きだった川原さんには先に帰ってもらい、今現在営業一課には、わたしと営業の長崎さんだけだ。 その長崎さんも帰り支度を始めている。 「吉川さん、悪いけど先に帰ってもいい?」 「どうぞ、わたしもこれが終わったら帰りますので」 申し訳なさそうな長崎さんに笑顔で答えると、 長崎さんは、ごめんねと言うように「お疲れ」と手を上げて帰っていった。 「お疲れ様です」 その背中に声を掛けて、ホッと息を吐いた。 わたしも、そろそろ帰ろうかな。 森田課長が帰ってくると、また面倒なことになるかもしれない。 手元のファックスにざっと目を通して席を立った。
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