7.

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  「美咲、もうベッドに行こう」 余裕が無い田所さんの声に、切なさで胸が苦しくなる。 誰かに求められるのは、とても幸せなことだと感じた。 黙って頷くわたしを立たせると、唇に触れるだけのキスをする。 それから、田所さんはわたしの膝裏を掬って抱え上げた。 突然のことで、「きゃっ」と声を上げて、田所さんの首にしがみつく。 そんなわたしに、田所さんは優しい笑みを浮かべる。 「そのまま、じっとして」 「待って、下ろして」 「いいから」 「違うの、シャワーを」 急に冷静になったわたしを田所さんは、フッと軽く笑い飛ばした。 「あとで一緒に浴びればいい」 その言葉にうろたえて、「ダメ」と慌てて首を横に振ったけれど、何を言っても聞き入れてはもらえなかった。
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