7.

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    ダメだと何度も言ったのに、結局は田所さんに押し切られて、一緒にシャワーを浴びることになってしまった。 バスルームに入るなり、恥ずかしくて背中を向けるわたしに、田所さんは笑いながら、わたしを引き寄せた。 「きゃっ」 「ジッとして」 田所さんはスポンジにボディソープをつけると、泡立てたそれをわたしの背中に滑らせていく。 「見ないで」 「見ないと、身体を洗えない」 ……そうだけど。 こんなの恥ずかしくて、堪えられない。 「やっぱり、外で待ってますから、田所さんだけ先にシャワーを済ませてください」 「泡をつけたまま、出て行く気?」 「……ぅ」 口篭ると、田所さんは仕方ないなと言うように「いいよ、俺が出るから」とわたしにスポンジを握らせて、外に出て行った。
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