7.

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   田所さんが戻ってくると、軽くキスをして、その腕の中で眠った。 一人暮らしには、大きすぎるベッドや2LDKのマンションも気になるところはあるけれど、今はもうどうでも良かった。 このまま時間を重ねて、いつかお互いが特別な人になればいいと思うから。 わたしが想うように、田所さんもそれを望んでくれますようにと心の中で願って瞳を閉じた。 遅めに起きた朝は、二人で軽めの食事を摂ると、部屋の中でゆっくり過ごした。 夕方から一緒に食事を作り、またベッドで過ごして。 それから、日曜日はゴルフだという田所さんを気遣って、早めに帰ることにした。 久しぶりの誰かと過ごす休日は、これから一人の部屋に帰るのが寂しく感じるぐらい楽しいものだった。 (また、泊まれるよね) 田所さんが運転する車の中で、預かっていた合鍵を取り出した。 このまま、持っていたいけれど…… 「なに?」 わたしの様子を察したのか、赤信号で止まったタイミングで田所さんがわたしに視線を向ける。
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