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わたしが、可愛い?
言われ慣れない言葉は、恥ずかしくて仕方が無い。
ますます赤くなる頬を自分ではどうすることも出来ずに俯いた。
「可愛いよ」
「な、何を言うんですか、冗談は止めてください」
「いや、本気でそう思ってるけど?」
口では、田所さんに敵わない。そう思うと、何故だか意地悪が言いたくなってしまった。
「田所さんって、意外と軽いですよね」
「……それ、結構ショック」
「あっ、今のは失言でした。ごめんなさい」
想像以上に傷ついた顔をする田所さんに慌てて謝ると、田所さんは「冗談だよ」と笑い出した。
「なんだ、もう」
顔を見合わせて笑ったあと、急に目を伏せる田所さんにドキッとする。
「明日、早く終われそう?」
これを言うために、追いかけてくれたの?
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