7.

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  「あの」 戸惑うわたしに田所さんは、当然と言うように言葉を続ける。 「多分、俺より吉川さんの方が早いと思うから、家で待ってて。部屋はわかるよね?」 「わかりますけど」 「食事はそのときに考えよう。食べに出てもいいし、俺が適当に買って帰ってもいいし」 「はい」 「それから」と田所さんは、言葉を区切る。 「帰すつもりは無いから、泊まる用意をしてきて。いい?」 声は優しくても、有無を言わせない言い方に苦笑して頷くと、田所さんは小さく息を吐いた。 「無理強いするつもりは」 そんな田所さんの言葉に「いいえ」と首を横に振る。 「わたしも、泊まりたいから」 合鍵を渡してくれた田所さんの気持ちに応えたい。 そして、もっと。彼を好きになりたい。
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