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「もう、ほんとムカつきます、あのオヤジ」
つくねを頬張りながら悪態をつく川原さんを
まるで、数年前の自分を見ているみたいだなと思いながら見ていた。
既に一杯目の生ビールのジョッキは空になっていた。
「ちょっと、吉川さん、聞いてます？」
「う、うん。聞いてる」
わたしも先輩によく愚痴を聞いてもらっていたけど、自分がその立場になるなんて、なんだか不思議な気分。
「ビール、お代わり頼もうか？」
「わたしは、赤ワインにします」
「そ、そう」
大丈夫かな？ちょっとヒヤリとしながら、次の飲み物をオーダーする。
「で、吉川さんの話って何ですか？」
突然話を振られて、固まってしまう。
そうだった。
そう言って、飲みに誘ったんだった。
……迂闊だったかも。
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