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ユウに逢えない週末は、部屋の片付けに専念した。
不要なものを処分して、いつでも引越しが出来るようにと思ったからだ。
少し早い年末の大掃除。そう考えると気も楽だった。
あまり物を溜め込まない方だと思っていたけれど、あっという間にゴミ袋二つ分のゴミが出来てしまった。
「本は古本屋さんに持っていこうかなぁ」
誰も居ない部屋で呟くと、携帯がそれに答えるように着信音を響かせた。
液晶画面に映し出されたのは、登録していない番号だった。
誰だろう?と思いつつ、電話に出る。
「もしもし」
『…………』
「……もしもし」
『………』
何も言わない相手に気味が悪くなり、電話を切ろうとした瞬間だった。
『……美咲、逢いたい』
くぐもった、聞き取りにくい男の低い声に、一瞬で、背中から汗が噴出した。
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