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      「もう帰るね」と席を立つわたしに、「迎えにきてもらったら?」とノブさんが言う。 「誰に?」と言い掛けて止めた。 ノブさんが何を言いたいのか、わかったからだ。 「……一人で帰れないほど酔ってないよ」 「そう?」 「うん。大丈夫」 支払いを済ませると、店の外までノブさんが見送ってくれた。 「じゃ、ノブさん。またね」 「気をつけて」 小さく手を振ってくれるノブさんに背中を向けて歩き出す。 帰ろう。 わたしを待ってるユウの元に。
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