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「……うん」
ユウの言葉が優しくて、余計に泣いてしまいそうになって俯いた。
これからは、ずっと一緒にいられるのだ。
そして、この休日が終わっても、幸せな時間は形を変えながら、いつまでも続いていくと信じている。
だから……。
わたしより背が高いユウを見上げる。
穏やかな横顔がいつになく男らしく見えた。
「ね、夕飯は、どこかで食べて帰る?」
「うーん。美咲は何がいい?」
「えっとね……」
自分のマンションに戻ったのは、夜の九時過ぎだった。
お風呂に入って、寝る準備をしているとあっと言う間に、日付が変わってしまって。
ベッドに入って、ユウに電話をしようか迷っているうちに、そのまま眠っていた。
その日、わたしは、幸せな夢を見た。
目が醒めた瞬間に、すべて忘れてしまったけれど。
その余韻だけは、いつまでも残っていた。
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