407人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
返信は後で送ることにして、携帯をバッグにしまって、ユウの元に戻った。
「そろそろ帰ろうか」
時計をチラリと見たユウが名残惜しそうに言う。
「もうそんな時間なんだ」
楽しかった休日も、あと少しで終わってしまう。
そう思うと、急に寂しくなってしまった。
……もっと、ユウと一緒にいたい。帰りたくない。
デート中に、こんな気持ちになったのは久しぶりだった。
「美咲?泣きそうな顔して、どうした?」
「えっ?あ、ううん。なんでもない」
心配そうにわたしの顔を覗き込むユウに笑ってみせて、甘えるようにユウの腕に自分の腕を絡めた。
水族館を出て駐車場まで腕を組んだまま歩く。
「雨が降らなくて良かったね」
「俺、晴れ男だから」
「あはは。そうなんだ」
「美咲」
「うん?」
「今みたいに、甘えてくれたら嬉しい」
最初のコメントを投稿しよう!