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タクシーに乗って、ユウのマンションに急いだ。
シートに凭れ掛かって携帯を開くと、三件の着信履歴は、すべてユウからのものだった。
ユウ、ごめんね。
些細なことで揺れてしまう自分が嫌になる。
だけど、もう迷ったりしないから。
ユウが必要としてくれるなら、わたしはその気持ちに応えたい。
心からそう思っていた。
マンションに着く頃には、酔いもすっかり醒めていた。
ユウの顔を見たら、先ず何を言おう。
連絡を入れなかったわたしに怒っているはずだ。
玄関の前で、大きく息を吐いて鍵を開ける。
廊下の先のリビングには、明かりが点いていて。
「ただいま」と声を掛けて部屋に入ると、ユウがイライラした様子でリビングから出てきた。
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