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   「あ……」と声を出した後、しばらく見詰め合っていた。 指先から力が抜けて、買い物袋が落下する。 卵が割れたかもしれないと、他人事のように思いながらも目を逸らすことは出来なかった。 それは、彼女の容姿が随分と変わっていたからだ。 どうして、今になって? そんな思いが、頭の中を行き来する。 わたしの前に現れたのは、ユウの元カノだった。 彼女は黙ったままのわたしを見詰めて、躊躇いがちに口を開く。 「……ユウは、部屋に居ますか?」 「…………」 どうして、そんなことをわたしに訊くのだろう。 ユウに用事があるのなら、直接話をすればいい。 わたしを介する必要は無いはずだ。そう言いたいのに、口の中が乾いて言葉を上手く吐き出せない。
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