305人が本棚に入れています
本棚に追加
「美咲……」
掠れたユウの声。それが、わたしをより不安にさせる。
縋るようにユウを見詰めると、ユウはわたしの手をギュッと握り返して、彼女に向き直った。
「俺に、話があるって?」
そう言って、ユウはわたしの隣に腰を下ろした。
ドクンドクンと波打つ鼓動で胸が苦しい。
握りしめたユウの手からも緊張が伝わる。
ソファーに座っている彼女は、わたし達の方に身体を傾けて、ユウだけを真っ直ぐに見詰めた。
それから、ゆっくりと口を開いた。
「わたし、ユウの子供を妊娠しているの」
「……っ」
「……」
頭を鈍器で殴られたような衝撃だった。
最初のコメントを投稿しよう!