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『ごめんなさい』
彼女がそう言ったような気がした。
そして、わたしは理解する。
彼女の目的は、ユウに妊娠を告げることじゃない。
だから、大きなお腹でユウに会いに来たのだ。
「本当に、一人で生むつもりだった。でもね、お腹が大きくなって、出産が近づいてくると急に不安になってしまって。
やっぱり、この子には父親が必要だって、そう思ったの」
ユウの唇は、震えていた。
動揺して声も出ないのだろう。
突然知らされた妊娠。
そして……。
「ユウ、お願い。この子の父親になって」
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