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◆◇◆◇
事務所にカタカタとキーボードを叩く音が響いている。
今日もまた残業だ。
酷くなった肩こりは、マッサージに通ったぐらいじゃ解消されそうにもない。
目を閉じて首をぐるりと回すと、身体が悲鳴を上げるようにボキボキと鳴った。
「うぅ~、っいたたた」
「お疲れさん」
「あ、お疲れさまです」
出先から戻った森田課長は、スーツのジャケットを脱ぐと、誰も居ない隣の席にそれを放り投げた。
ロッカーに行くのが面倒なのはわかるけど、そのままじゃ……。
「掛けないとしわになりますよ?」
「それより、これ」
そう言って、森田課長はコンビニの袋をヒョイとわたしの前に差し出した。
「え?」
「いつも頑張ってる吉川さんに」
……これは、何?
高感度アップ作戦?
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