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黒いスチール製のドアを押して店内に入る。
最近では、週末の恒例となっている映画の後の一杯。
一人でバーに行くなんて、少し寂しい気もするけれど、これが休日の一番の楽しみになっていた。
「こんばんは」
「いらっしゃい」
カウンターの向こうからノブさんが笑顔で応える。
それと同時に、カウンター席にいる女性客が振り返ってわたしを見た。
きっと、ノブさん目当てのお客だろう。
お邪魔だったかな?と思いつつ、ノブさんに促されるまま、カウンター席に座った。
「今日は、何の映画?」
「ノブさん、知ってるかなぁ。すっごくマイナーなSFものなんだけど」
「知らない」
作品の説明をする前に間髪入れず答えるノブさんに苦笑い。
「先ずは、ビール?」
「うん。お願いします」
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