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「何にする?」
「俺も、ビールで」
「了解」
返事をすると、ノブさんは、わたし達から離れていく。
ビールサーバーからグラスにビールを注ぐ間、わたし達は無言だった。
「お疲れ」
「あ、うん。お疲れ」
そうすることが当たり前のように、グラスをコツンと合わせて、ビールに口をつける。
今日会ったのは、偶然なんだよね?
想定外の敦士との再会に、落ち着かない気持ちになってしまう。
敦士には、沢山迷惑を掛けてきたのに、わたしからは一切の連絡を絶っていた。
ユウと別れてからも、連絡を出来ずにいたのだ。
「久しぶりだな」
「そうだね。元気だった?」
「まあな。……美咲は?」
「……元気だよ」
いろいろあったけど。と心の中で付け足して、ビールを口に運ぶ。
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