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「でも、一緒に暮らしだして、そしたらどんどん好きになっていく自分がいて、でもお父さんやママのことを思ったら、絶対に好きになっちゃいけなくて……」
「季菜……」
「大丈夫だからママ、私ずっと妹でい続けるから、大丈夫だから」
「ごめんね。ごめんね季菜」
「謝らないで、ママは何も悪いことしてない。お父さんは今、ママのお蔭で幸せだよ。私もママのお蔭ですごく楽しいし、だから……。大丈夫だから、絶対これ以上好きにならないから」
「季菜……」
「ずっと家族でいたいから」
「うん。ママもずっと季菜と家族でいたい」
「ママ……大好きだよ」
「ママも季菜のこと、世界で一番大好き」
ママにキツク抱きしめられた。
――ごめんねママ。好きになっちゃダメなことは分かってる。諦めなきゃって思ってる。
だけど……
きっと私の片想いは、これからもずっと続いていくと思う。
だけど……
いつかきっとお兄ちゃん以上にカッコイイ人を見つけるから。
だからママ、今はごめんなさい。
抱きしめられている私は、ママの背中に回した手にギュッと力を込めた。
永遠に両想いになることのない私自身を、強く抱きしめるように……。
完 ご愛読有難うございました。
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