好きって言えない

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そしてその一か月後。 お父さんは私に応援されたせいなのか、猛烈にアプローチをしたらしく、彼女に結婚を申し込んだらしい。 相手の女性はバツ一の離婚歴のある人で、お父さんより一つ年下の三十九歳。名前は瑞希さんって言うらしく、そして十七歳の息子がいるらしい。 お互い子連れ同士ということで、結婚の承諾をする前に、一度子供たちを交えて会いたいと言われたらしく、今日の食事会と相成ったわけである。 お父さんに再婚を考えている相手がいると聞いてから、どんな人なんだろうって、ずっと考えていた。 優しい人だったら良いんだけど……。シンデレラの継母みたいだったら、家事をしてもらえるどころか、私の仕事が増えることになる。 どんな人なんだろう……。一度お父さんに写真を見せてって頼んだけど、撮らせてもらってないから持ってないって言われた。 それ以来ずっと気になっていたことが、ついに今日明らかになるのだ。 私は朝からずっと緊張しっ放しだった。 高校三年生の息子がいるってことも、気になっている。 源之助先輩みたいなイケメンだったら良いなぁ……。ずっとお兄ちゃんって言う存在に憧れていたから、それが手に入るのが嬉しいけど、どうせならイケメンが良いと思うのは、女の子としては当然の主張だもん。 まだ見ぬ兄候補の男性のことも、気になって仕方なかった。
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