好きって言えない

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「俺は京正源之助、そしてこっちが俺の母親の瑞希」 「はい。知ってます。先輩は有名人ですから」 「あら、この子って有名なの?」 瑞希さんが微笑む。 「はい。学校で一番カッコイイと評判です」 「へぇ~そうなんだ」 「はい。彼女の悠木沙耶さんのことが羨ましいって、いつも思ってましたし」 「えっ?」 瑞希さんが驚いた顔をする。 「え?」 釣られてこっちも驚いた。 「ちょっとアナタ彼女がいるの!?」 瑞希さんが先輩に聞く。 「いや、あの、まぁ、おい! 余計なことを……」 「お母さん彼女がいるなんて聞いてないわよ」 「いや、だって、一々報告しないでしょ」 「出来たら教えなさいって前から言ってたじゃない」 「まぁ、まぁ、まぁ、とりあえず座りましょう」 父が慌てて取り繕う。 「あ、ごめんなさい」 瑞希さんは我に返った途端、周囲を気にして頭を下げた。
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