好きって言えない

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とりあえず座ったけど、ヤバいです。 先輩がずっと私を睨んでます。 やってしまった感満載です。 空気が……。重い……。 「失礼します」 ナイスタイミングでウエイトレスさんが来てくれた。 「お先にお飲み物をお持ちいたしました」 「ああ、どうも」 お父さんが会釈をする。 その間もずっと先輩に睨まれてるんですけど……。っていうか、何で悠木先輩の事をお母さんに秘密にしていたんだろう? 何て事を悠長に考えてるような空気じゃないよ。まだ睨まれてるし……。 「じゃあ飲み物も来たし、乾杯しようか?」 お父さんが切り出した。 こういう席って、乾杯とかするのかな? しないような気がするけど……。 でも、みんなグラスを持ったから、私も同じように持つ。 「両家のこれからの進展を願って、乾杯」 「乾杯」 って言ったのは、お父さんと瑞希さんだけで、私と先輩は黙っていた。
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