好きって言えない

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「ねぇ季菜ちゃん」 「は、はい」 「私ねぇ、ずっと可愛い娘が欲しかったのよね」 えっと……カワイイ娘ですか。ごめんなさいカワイクない娘で……。 「だからねぇ、季菜ちゃんが結婚を認めてくれて、本当に嬉しかったの。ずっと欲しかった可愛い娘が出来たんですもの」 あれ? 瑞希さんって目が悪いのかな? カワイクないよ。私なんて……。 「俺もさぁ、ずっと可愛い妹が欲しかったんだ。よろしくね季菜ちゃん」 うひゃぁああああああああ。先輩に可愛いって言われた。マジで? マジなの? お世辞だよね? 絶対お世辞だよね? 「あの、可愛くはないですけど、私なんかで良かったらよろしくお願いします」 何かこの台詞。交際を迫られたときにする返事みたい。 あ~~~先輩と交際したい。 でも、一緒に住むってすごくない? すごいよね? だって「ただいま」って家に帰ったら、先輩がいるんだよ。 そんな夢みたいな生活が始まるのかと思ったら、大声で叫び出したいほどだった。
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