20人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
翌日。学校に向かう私の顔は、ずっとニヤニヤしたまんまだった。
先輩と一緒に暮らせる。
そう思ったら、嬉しくてたまらない。でも……恥ずかしくもあるよ。
お風呂とかさぁ……先輩が浸かったお湯に浸かるなんて考えたら、もうそれだけで赤面しっぱなしだし。
昨日みんなにLineで教えようかと思ったけど、やっぱりやめちゃったから、誰もまだ知らないけど、みんながこの事実を知ったら何て言うだろう。
絶対羨ましがられるよね。なんせ先輩のことを好きな子は、たくさんいるから。
でもそのせいで逆にみんなの反感を買ったりしないかな……。小心者だからそんなことまで心配してしまう。
高校の三年間、上手く立ち回らないと、イジメとかされるのはゴメンだもんね。
蓮花にだけ話してみよう。
「おはよう季菜」
そう思っていたら、後ろから声をかけられた。
「蓮花! お、おはよう」
「何よ? オバケでも見たような顔して。失礼だなぁ」
「だって、蓮花のこと思った途端に声をかけられたから」
「私のこと? へぇ~季菜でも京正先輩以外のことを考えたりするんだ?」
蓮花はニヤッと笑った。
最初のコメントを投稿しよう!