好きって言えない

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「何よ。本気で怒鳴ることないじゃん。感じ悪い」 柚月が顔を歪める。 「あっ、違う」 つい大きな声を出してしまった。イジメの対象とかになりたくないから、目立たないように適当に合わせていくつもりだったのに、シマッタ。 「自分だけ良い目出来ればいいと思ってんでしょ。最低」 奈々美が吐き捨てるように言うと、自分の席に戻る。 「違うって、全然そんなんじゃないってば」 私が言い訳をしようとしたけど、みんな席に着いてしまい。同時に二時間目の先生が教室に入って来た。 「おい、何やってる。授業を始めるぞ」 「あっ、はい」 先生に咎められ、仕方なく席に座る。 「はぁ……」 さっきまでとは違うため息が口から漏れた。 もう泣きそうだよ。私が何したって言うのよ……。 「はぁ……」 またため息が漏れる。 昨日の夜は、先輩と一緒に暮らせるってことで、最高に嬉しかったのに……。 これじゃ三日天下どころか、24時間も持ってないよ…。 本気で泣きそうだった。
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