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「うちはさぁ、結構聞いてくるんだよね。カノジョが出来ないのかってさぁ」
「そうなんですかぁ」
「うん。そういうのってさぁ、煩わしいでしょ？」
「ええ、まぁ、そうですけど……」
「カノジョが出来たら報告しろとか、どんな子か会って確かめるとかさぁ、そんなこと言われたら、正直ウザいって思うでしょ？」
「確かに……」
「昨日まではそう思って隠してたんだけどさぁ、どうやらそうじゃなかったみたいなんだよね」
「え？」
「うちの母さんさぁ、ずっと娘が欲しかったらしくて、それで俺にカノジョが出来たら、娘代わりに買い物とかさぁ、あっちこっちに連れまわそうと思ってたらしいんだ」
「そうなんですか」
「ところが、季菜ちゃんっていう可愛い娘が手に入ることになったでしょ」
「え？」
「だからもう、俺にカノジョがいてもいなくても、どうでもいいみたい」
「そうなんですか？」
「ってことで季菜ちゃん。かなりうちの母さんに連れまわされすことになると思うから、先に謝っておくよ。ゴメンね」
「そんなぁ……」
でも、私も実際のお母さんにあっちこっち連れまわされたかったのに、出来なかったから、それはそれで少し楽しみではあった。
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