好きって言えない

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「ねぇ、もう一回」 「え?」 「ほら、早く」 「は、はぁ……。お兄ちゃん」 「うひゃぁ、もう一回」 「えっ?」 「ほら、早く」 「ぇっと……。お兄ちゃん」 「うわぁあ~~~たまらん」 何なのコレ? 先輩のイメージが……。 「ねぇねぇ、じゃあさぁ、俺も妹なんだから、季菜って呼び捨てにしてもいい?」 「あっ、はい」 「季菜」 「はい」 「いや、ハイじゃなくて、お兄ちゃんって呼んで」 「はぁ……」 「季菜」 「お兄ちゃん」 「季菜」 「お兄ちゃん」 えっと、いつまで続けるの? この謎のスパイラルは? 「季菜」 「お兄ちゃん」 って言うか、これはいったい何のプレイなの? 「季菜」 突然ドアが開く。 「何やってるの? アンタたち?」 瑞希さんが不思議そうに聞いてきた。 「何だよ。邪魔すんなよ」 「邪魔って何よ?」 「今、季菜にお兄ちゃんって呼んでもらってるんだから」 先輩……そんなことお母さんに言っちゃったら、引かれちゃいますよ。 私は心配をした。
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