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食事を済ませてうちに帰ったけど、お父さんは帰っていない。
さっきのが見間違いだったのか、それとも……
とりあえずお風呂に入ることにした。
お父さんが帰って来たのは九時を回ったところで、私は探りを入れるために自分の部屋を出てリビングに顔を出すことにした。
「お帰りなさい」
「お、おお、ただいま」
「結構早かったんだね?」
「え?」
「泊まってくるのかと思った」
ちょっとかまをかけてみよっと。
「泊まってって……」
「明日土曜日だし」
「いや、そうだけど……」
「デートだったんじゃないの?」
「デっ! いや、あの」
マジで?
「さっきお父さんを見かけたんだよね」
「えっ!」
「金太郎ラーメンでラーメンを食べてる時、お父さん前を通ったでしょ?」
「あ、いや、あの」
ビックリなんてもんじゃないよ。こんなに狼狽するお父さんを見るの、初めてだもん。
何だか浮気がバレそうな男の人みたい。
私は何だか可笑しくなった。
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