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ある日のこと
部下から一人の男を捕まえたと報告が入った。
昔俺が潜入していた組織の幹部だった男だ。
組織自体がなくなった後も巧妙に逃げ延びていた。
思えば昔から頭が良かった。地下に潜ってからも、奴の活動は俺の所属する組織に大きく害を与えた。
――――要は、邪魔だった。
危険分子であり、味方にしようと望むのはリスクが高すぎる。排除すべき対象だ。
しかし、タイミングを狙ったように敵勢力が討ち入ってきた。他のことに割いている時間がない。
俺はその男の処分をミウに任せた。
男の顔を知っていて、間違いなく手を下せる人間。
俺の分身であり片腕。
ミウの他に任せられる奴はいない。
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