2人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいか、俺についてこいよ?」
コクコクッと、頷く。
顔見られてたまるか!
「…会いたかったよ!!」
ぎゅうっと私を抱きしめながら、女の子集団にも聞こえる声で言う。
…そこからか!!
「わ、私も!!貴方に会いたかった!」
「どうして今まで連絡くれなかったんだ!!」
え!えっと…
「も、モンゴルにいたの!!どうしても相撲で強くなりたかったの!!」
「…僕のために…なんてことを!」
本当に辛そうな声に私も釣られる。
「いいの。私、貴方のためなら辛い修行だって…!」
「っ好きだ… もう離さないっ!!」
「私も!貴方の廻し(まわし)から手を離さない!」
「さあ行こう…新しい指輪でも買いに…もう逃がさないよ。」
「いいわね…ちょうど新しい廻しが欲しかったの。」
女の子集団から背を向けて、私の肩を抱く。
そして私の膝裏に手を入れてお姫様だっこを…
「お姫様だっこ!?」
焦る私をよそに、ダッシュで駆ける。
怖い怖い!
後ろでは女の子集団が
「モンゴル…?」
「まわし…?」
「相撲…?」
と、ざわついていたのを私は知らない。
最初のコメントを投稿しよう!