もう恋なんてしない。

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「ごめん。俺、カスミとはやってけない。」 はい来ました。 「いろいろ考えたけど…俺たちもうダメだと思うんだわ。」 一体何を考えたのか。 「最近お互いに忙しいし…な?」 いや、あからさま避けてたのそっちでしょ。 なーんて、ツラリツラリと出てくる黒い気持ちに蓋をする。 目の前の男がいってほしい台詞は分かっている。 グッと唇を噛む。 泣いてたまるか。 「“…わかった。今までありがとうね。いろいろあったけど、お互いこれからもよろしく”」 そう言ってニコッと笑えば完了。 笑えてる? うん、大丈夫っぽい。 “これからもよろしく” とか言うけど、これからは二度と関わることは無いだろう。これくらい分からないほど私達の位置関係は子供じゃない。 明らかにホッとした様子をみせて じゃあまた といって去る背中を見送る。 そのホッとした様子にまたダメージをくらう。 所詮腫れ物扱い。 こんな女と別れてそんなに嬉しいですか。 慣れない痛みにズキズキする。
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