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悪あがきのビタミンドリンクに口を付けた時、バッグからくぐもったバイブ音が鳴った。
表示を見てみれば、非通知。
瞬間蘇る、あの気味の悪いクラシック。
これって……。
取ることが出来ずにいると、鳴り止んだ。
だけど、感覚空けずにすぐに鳴り始める。
手の中震え続けるそれに、濡れた髪の当たる首筋がヒヤリと寒くなる。
どうしよう。出たくない。
だけど……。
迷っている私を催促するように、しつこく震え続ける。
終わってくれそうにないそれに、私はそっと指を動かした。
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