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人の信仰する神に対して冒涜的だが、金髪の青年としては自分と関係ない為どうでもよい。全ての神を把握しろと言われても、無量大数という全く耳にしないような言葉を持ちださなければならない。
「俺が居た世界って、やっぱ他にも世界あんの?」
「あるとも」
黒髪の青年の質問に、金髪の青年は簡潔に答えていく。答えていく中で、金髪の青年は面倒そうに頭をかいた。黒髪の青年が他の世界に行くという事は、実務的な処理をしなければならない。余計な仕事を抱えてしまったとため息を吐いた。
「さて、ここで二択だ。赤ん坊からやり直すか肉体を再構築するか、どちらか選ぶといい」
勿論、赤ん坊を勧める事を忘れない。逆に肉体を再構築するデメリットをこれでもかと無理矢理気味に理屈付けて説明する。仕事を減らすためなら手間を惜しまないのが金髪の青年だ。
デメリットと言っても、黒髪の青年が居た世界程ではないにせよ、情報管理がなされている。その為、身元があやふやな状態は不味いうえ、人間関係が上手くいかないだろう。などと事細かに説明しているだけなのだ。それとホームシックがどうのこうの。
それならばと黒髪の青年は赤ん坊からを選んだ。金髪の青年は扇子を両手に小躍りしそうになったがなんとか堪える事に成功した。黒髪の青年はそんな事になっている事に気付かず、美男美女夫婦の間に生まれる事を希望。イケメンになりたいのである。
そんなこんなで話はトントン拍子で進んでいく。全体的な能力を他人より少し上にしたのには渋った黒髪の青年だが、人生そんなに甘くないのである。
「やってもいいが、胎内で爆発するぞ」
「やっぱいいですハイ」
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